意味 |
トンネル掘削において、掘削周辺(切羽の鏡、天端、側壁など)の岩盤の一部が大きな音響を伴って内空に突然飛び出す現象である。この現象は、地山岩石中に蓄えられた弾性ひずみエネルギーが解放されることにより発生するとされており、土被りが比較的大きく地山応力が高い場合で、かつ、岩盤が均質でジョイントなどの少ないマッシブな場合に起こりやすい。有名な例では、シンプロントンネルがあるが、日本でも新清水トンネル、大清水トンネル、関越トンネルで発生した。この場合、岩石は花崗閃緑岩であったが、その多くは2〜5㎝の厚さの板状の岩片となって飛び出しており、大きさも小片のものから1㎡を超えるものまでさまざまのものがあった。また必ずしも板状とは限らず大塊の岩石が鏡から突出した例も報告されている。この現象は災害に結びつく可能性が高いので注意を要する。現在のところ、発生機構が十分解明されておらず有効な対策も確立されていないが、関越トンネルでは、発破直後、削孔終了後に発生頻度が高いことから、待機時間を設けたり、ロックボルトの施工や金網を張るなどの措置を行い効果があったといわれている。 |